【パワサカ】まさかの強選手!?聖ライカー学園でベストイレブン狙いでGKを育成してみた。

【パワサカ】まさかの強選手!?聖ライカー学園でベストイレブン狙いでGKを育成してみた。

過去の栄光と新たな光。

 

「盛者必衰」

 

そんな言葉がとても似合う学園だ。

あれは90年代前半。

紫色を纏ったユニホームは、世のサッカー少年にとって憧れの存在であった。

攻めのライカー。

閃光のライカー。

あと一歩のライカー。

この学園には様々な異名があった。

数多くの大会に出場し、必ずと言っていいほど準優勝で母校に凱旋。

その、あと一歩という詰めの甘さから、世間の話題をさらい、テレビをつけたら聖ライカー。ラジオをつけても聖ライカーであった。

 

そんな愛すべき聖ライカーであったが、ある時から歯車が狂い始めた。

 

それは金木犀の香る秋頃の話だ。

聖ライカーの監督を半世紀以上務めていた名将、Mr.ベースボールが長年患っていた蓄膿症を理由に解任されたのだ。

 

実はこれには訳があり、ちょうどこの事件の少し前に学園の経営陣も変革のタイミングを迎えていた。

新しく学園のトップに座った、エブリデイ川崎が大胆な経営方針の転換を行い、なんと前年比マイナス60%のコストカットに乗り出したのだ。

スクールバスの廃止。

徹底した節電。節水。

などなど。容赦なく経費を削減していった。

 

そこに白羽の矢が立ったのが、Mr.ベースボールという訳だ。

 

御年85歳という年齢ながら、毎週金曜日の夜には浴びるように酒を飲み、「宴だー宴だー」と通行人に無差別に絡む。そのせいで人気のあまりない雑居ビルに拉致されることだってあった。

もちろん、数多くの大会でチームを準優勝まで導く手腕の偉大さというのは誰の目から見ても明らかであったが、素行の悪さはぶっちぎりのトップ、PTAから指導を受けることも珍しくなかった。

そんなMr.ベースボールをエブリデイ川崎は好意的に思っておらず、その素行の悪さを理由に解任すればいいものを、なぜか蓄膿症を理由に解任した。という訳だ。

 

それからというものの、聖ライカーの成績は右肩下がり。

今年の春季大会では、創部2週間のチームに敗戦を機するなど、今や

「古豪もどき」

「化石寄りの集団」

「寝起きでも勝てる唯一の私学」

などと揶揄され、これまで築き上げてきた栄光は過去のものとなってしまった。

 

そんな折、この聖ライカー学園に精悍な顔つきの少年がやって来た。

障子くらいの薄さの物なら突き破れるんじゃないかと思わせる、まっすぐな瞳で彼はこう言った。

 

「あの。GKって空いてます?」